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【開催報告】2024年6月22日(土)イスラームを知ろう!~となりのムスリム:25周年を迎えたマスジド大塚のこれまでとこれから「モスク/炊き出し見学」~

開催報告

 一般財団法人青少年国際交流推進センターは、イスラームへの理解を深め、より身近に感じられることを目的に「イスラームを知ろう!」と題するセミナーをこれまでに13回、UAEモニターツアーを1回開催しました。
 14回目となる今回の「イスラームを知ろう!」では、日本イスラム文化センター / マスジド大塚事務局長のクレイシ・ハールーン氏をお迎えし、25周年を迎えるマスジド大塚のこれまでの苦労や活動についてお話を聞きくことに加えて、マスジド大塚見学や炊き出し支援用のお弁当詰め作業ボランティアを実施しました。

当日スケジュール
 14:50: 会場集合
 15:00: オープニング
 15:05: 日本イスラーム文化センター クレイシ・ハールーン事務局長のお話(質疑応答含む)
 16:00: マスジド大塚モスク見学
 16:30: ホームレス支援炊き出し用お弁当詰め、ボランティアとの交流
 17:00: クロージング

 セミナー前半では、クレイシ・ハールーン氏から、マスジド大塚及び日本イスラーム文化センターの活動についてご紹介いただきまました。始めに参加者に対してイスラームについての基礎知識を問う質問からセミナーが始まりました。「アッサーラム・アライクムの意味は?」「日本で最初にできたモスクはどこか?」等、普段耳にしていることや知っていそうなようなことを改めて問われたことによって、イスラームについて知っているようで知らないことが多くあることに気づかされた参加者が多くいる様子がうかがえました。

 その後、具体的に日本イスラーム文化センター / マスジド大塚で普段から行っている支援活動について紹介いただきました。現在は主に、ホームレス支援に力を入れていて、東池袋中央公園で実施されているホームレス支援炊き出しボランティアへの参加や、近所の公園にも足を運び相談に乗ることや、食事の提供等の支援を行っているとご説明いただきました。また、東日本大震災時には、震災発生から2日後にはトルコの支援団体İnsan Hak ve Hürriyetleri İnsani Yardım Vakfı(通称:IHH)と共に、宮城県や岩手県に行き、現地で炊き出しを始めとしたボランティア業務を行ったとのことでした。

クレイシ・ハールーン氏

日本イスラーム文化センター / マスジド大塚の活動について説明をするクレイシ・ハールーン氏

 幸運なことにセミナー当日は、IHHから数名マスジド大塚に視察と打ち合わせを兼ねた来訪をしており、IHHの担当者からもIHHの活動について説明をいただきました。
 IHHは1992年からトルコを基盤に世界123か国で支援活動を行っている団体であり、上述の通り東日本大震災の際には、震災発生の翌日には日本を訪れ、2日後に被災地入りをして活動を行ったとのことです。近年ではアフリカ諸国での支援活動に力を入れており、実績として$100~$150程の治療費が払えないがために、生涯目が不自由なまま暮らしている人が多い中、IHHは彼らの目を治療する活動への支援を行い、多くの方が普通の生活を送れるようになったとのお話をいただきました。

IHH

IHHの活動について説明をするIHHのスタッフの方

 セミナーの後半では場所をマスジド大塚に移し、クレイシ・ハールーン氏からモスクの中をご案内いただきました。2階の男性用礼拝室を訪れた際には、丁度お祈りの時間が近かったこともあり、お祈りを知らせる案内をする瞬間を実際に見ることができただけでなく、実際にお祈りする様子も男女分かれてそれぞれ見学することができ、普段の生活ではあまり見ることができない場面を見ることによって、ムスリムの生活の一端を覗くことができました。

 

クルアーンについて説明をするクレイシ・ハールーン氏

クルアーン(イスラーム教の聖典)について説明をするクレイシ・ハールーン氏

 お祈り見学後、ホームレス支援炊き出しボランティアで配給するお弁当の詰め作業(ビリヤニ)をボランティアの方達と一緒に行い、ボランティアの方(主に大学生)とも交流を深めました。

ボランティア作業をする参加者

炊き出し支援用のお弁当(ビリヤニ)を詰める参加者の皆さん

 ボランティア終了後は、セミナーの感想やマスジド大塚を訪れた感想を全体で共有し、最後に記念撮影を撮り終了した。

集合写真

クレイシ・ハールーン氏と参加者、ボランティアの皆さんと集合写真

<当日の参加者の声(参加者アンケートより抜粋)>

  • イスラームに限らずその宗教コミュニティの外の人間は、知る機会が限られるように思います。入信希望者向けの講座などはあっても、その前段階の知識を得るための場があまりないのではないでしょうか。その点で今回のような試みは大変すばらしいものだと感じました。クレイシさんが何度も言っていた、「一人を傷つけることはすべての人を傷つけること、一人を助けることはすべての人を助けること」という言葉が印象に残っています。正直イスラーム教には「戒律が厳しい宗教」という印象くらいしかなかったので、上記の基本的な価値観に触れられてよかったです。最後の感想の共有の場で参加者の一人が言っていたように、「知らない」ということを知ることができたというのが最も大きな学びです。
  • 相互に知り合うことでより理想の在り方に近づけると思いました。そのため、参加者も何を知りたくて来たのか、何を知っているのか、どのような気持なのかなどをクレイシさんやマスジド大塚の方々、主催者の方々と共有し合う時間が適宜あっても良かったかもしれないと思いました。
  • 大塚にモスクがあることは知っていましたが、ムスリムでない私がひとりで訪問することは迷いがあったので、このようなイベントを通じて身近にある異文化にふれる、学ぶ経験ができてよかったです。
  • しばらく余韻に浸ってしまうほど、濃い時間を過ごすことが出来ました。これまでイスラーム文化に興味はあったものの、なかなか見学等を通じて学べる機会がありませんでした。今回のセミナーを通して日本のムスリムを取り巻く現状の一端に触れることで、先入観や偏見にとらわれず、イスラーム文化を学ぶことが出来たと感じています。
  • マスジド大塚が、イスラーム教の方々の祈りの場であり、交流の場、さらには拠り所となっていることを、感じることができた。また、彼らの姿勢や行動が、大塚の地域の人たちからの信頼を得ることに繋がっていることに感動した。同じ人間。という言葉に尽きる。

主催:一般財団法人青少年国際交流推進センター
共催:日本イスラーム文化センター / マスジド大塚
協力:日本青年国際交流機構(IYEO)

※ 過去のセミナーの開催報告は以下リンクからご覧ください。
第1回:イスラーム教を学ぼう!<入門編>(2020年11月1日開催)
第2回:イスラームを知ろう!~日本人ムスリムの生活をのぞいてみよう~(2020年12月20日開催)
第3回:イスラームを知ろう!「ハラールフードってなに? 〜専門家に聞くムスリムの食事とおもてなし〜」(2021年3月28日開催)
第4回:イスラームを知ろう!~ハラールフード料理教室(カプサ)~【オンライン】(2021年9月26日開催)
第5回:イスラームを知ろう!~ハラールフード料理教室(マクルーバ)~【オンライン&現地(東京都)】(2021年11月23日開催)
第6回:イスラームを知ろう!~日本人ムスリマが見つけた、心豊かな中東イスラーム社会の暮らし方~(2022年1月30日開催)
◆第7回:イスラームを知ろう!~ハラールフード料理教室(シシバラク、バクラワ)~【オンライン】(2022年2月23日開催)
第8回:イスラームを知ろう!~断食は“入り口”なだけ。人生をリセットする「ラマダーン」~【オンライン参加&現地参加(東京都)】(2022年4月10日開催)
第9回:イスラームを知ろう! ~となりのムスリム:地域と生きるマスジド大塚「モスク見学/フードドライブ体験」~【現地参加(東京都)】(2022年7月23日開催)
第10回:イスラームを知ろう!~服装からみる中東・湾岸地域の女性~【オンライン】(2022年9月11日開催)
第11回:イスラームを知ろう!~トルコ料理教室(チーキョフテ)~【現地参加(東京都)】(2023年6月25日開催)
第12回:イスラームを知ろう!~日本人ヤングムスリムのストーリー:マスジド大塚とともに「モスク/炊き出し見学」~【現地参加(東京都)】(2023年7月22日開催)
◆第13回:【開催報告】2023年9月23日(土)イスラームを知ろう!~「日々の暮らしに生きるイスラーム文明」現代社会の礎はイスラーム科学で大きく拓かれた~【オンラインセミナー】

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問合せ先:一般財団法人青少年国際交流推進センター
TEL  03-3249-0767
Email  i.seminar@centerye.org

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